問1 安全管理・救急・法的責任
成人の心肺蘇生(CPR)における胸骨圧迫の深さとして、最も適切なものはどれか。
- a約2cm
- b約5cm(6cmを超えない)
- c約8cm
- d約10cm
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正解:b. 約5cm(6cmを超えない)
成人のCPRでは胸骨を約5cm(6cmを超えない深さ)で圧迫する。浅すぎると有効な血流が得られず、深すぎると内臓損傷のリスクが高まる。圧迫テンポは1分間に100〜120回が推奨される。
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成人の心肺蘇生(CPR)における胸骨圧迫の深さとして、最も適切なものはどれか。
正解:b. 約5cm(6cmを超えない)
成人のCPRでは胸骨を約5cm(6cmを超えない深さ)で圧迫する。浅すぎると有効な血流が得られず、深すぎると内臓損傷のリスクが高まる。圧迫テンポは1分間に100〜120回が推奨される。
運動中に倒れた人を発見し、反応がなく正常な呼吸も認められない場合、AED到着前にまず行うべき対応はどれか。
正解:b. ただちに胸骨圧迫を開始する
反応がなく正常な呼吸がない場合は心停止と判断し、ただちに胸骨圧迫(CPR)を開始する。早期のCPRとAED使用が救命率を大きく左右するため、迷わず開始することが重要である。
AED(自動体外式除細動器)の使用に関する記述として、最も適切なものはどれか。
正解:b. 電気ショックの要否は機器が自動で解析する
AEDは心電図を自動解析し、電気ショックが必要かどうかを機器が判断するため、医学的判読の知識がなくても使用できる。胸部が濡れている場合は拭き取ってからパッドを貼り、ショック後はただちに胸骨圧迫を再開する。
運動中の熱中症(重症の熱射病)が疑われる場合の応急処置として、最も適切なものはどれか。
正解:b. 涼しい場所へ移し、体を積極的に冷却する
熱射病が疑われる場合は、涼しい場所へ移動させ、頸部・腋窩・鼠径部など太い血管が通る部位を中心に積極的に冷却することが最優先である。意識障害があれば救急要請を行い、無理な経口補水は誤嚥に注意する。
運動中の低血糖が疑われ、意識があり経口摂取が可能な場合の対応として、最も適切なものはどれか。
正解:b. ブドウ糖などの糖質を速やかに摂取させる
意識があり経口摂取が可能な低血糖では、ブドウ糖や糖を含む飲料などの吸収の速い糖質を速やかに摂取させる。意識障害がある場合は経口摂取させず救急要請する。糖尿病者の運動指導では低血糖の予防と対応の理解が不可欠である。
足関節などの捻挫・打撲に対する初期処置「RICE」に含まれないものはどれか。
正解:d. 加温(Heating)
RICEは安静(Rest)・冷却(Icing)・圧迫(Compression)・挙上(Elevation)の頭文字で、急性外傷の初期処置の原則である。受傷直後の加温は炎症や内出血を助長するため不適切で、まずは冷却を行う。
運動負荷試験や運動中に「ただちに運動を中止すべき」徴候として、最も適切なものはどれか。
正解:c. 胸痛や強い息切れ、めまい・冷汗の出現
胸痛、強い息切れ、めまい、冷汗、顔面蒼白などは虚血や重篤な異常を示唆する危険徴候であり、ただちに運動を中止する。心拍数の正常な上昇や軽い発汗、心地よい疲労感は通常の生理反応である。
運動中に起こりうる血管迷走神経反射による失神への対応として、最も適切なものはどれか。
正解:b. 仰臥位にして下肢を挙上する
血管迷走神経反射性の失神では脳血流が一時的に低下するため、仰臥位にして下肢を挙上し脳への血流を促すのが適切である。意識がすぐ回復しない、外傷を伴う、呼吸異常がある場合は救急要請を検討する。
運動プログラム開始前のリスク管理として行う「メディカルチェック」の主な目的として、最も適切なものはどれか。
正解:b. 運動に伴う事故・障害のリスクをもつ者を事前に把握する
メディカルチェックは、運動に伴う事故・障害のリスクが高い者(心疾患・高血圧・整形外科的問題など)を事前に把握し、安全に運動できる範囲を確認することが目的である。問診・血圧測定などで対象者を層別化し、必要に応じて医師の判断を仰ぐ。
運動誘発性喘息(運動誘発性気管支収縮)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
正解:b. 運動後数分から十数分で咳・喘鳴・呼吸困難が生じることがある
運動誘発性喘息は運動中から運動後数分〜十数分にかけて咳・喘鳴・呼吸困難などが生じる。冷たく乾燥した空気での運動で誘発されやすく、温暖多湿な環境の水泳は比較的起こりにくい。十分なウォーミングアップは発作予防に有効とされる。
反応はあるが、食物などの異物で気道が完全に閉塞し声が出せない成人(窒息)への対応として、最も適切なものはどれか。
正解:b. 背部叩打法や腹部突き上げ法(ハイムリック法)を行う
意識があり完全気道閉塞で声が出せない場合は、背部叩打法や腹部突き上げ法(ハイムリック法)で異物除去を試みる。これらで除去できず反応がなくなった場合はCPRを開始する。水を飲ませると誤嚥や悪化を招くため不適切である。
運動施設における安全管理・事故予防の考え方として、最も適切なものはどれか。
正解:b. 緊急時対応マニュアルを整備し、定期的に訓練・確認しておく
運動施設では緊急時対応マニュアル(救急連絡網・搬送手順・役割分担など)を事前に整備し、スタッフが定期的に訓練・確認しておくことが重要である。AEDも消耗品(パッド・バッテリー)の使用期限点検など日常的な管理が不可欠である。
成人に対する胸骨圧迫の深さとして、現在の一次救命処置(BLS)ガイドラインで推奨されているのはどれか。
正解:c. 約5cm(6cmを超えない)
成人の胸骨圧迫は約5cmの深さで、6cmを超えないように行う。浅すぎると有効な血流が得られず、深すぎると胸部損傷のリスクが高まる。圧迫のたびに胸を完全に元の位置まで戻すこと(リコイル)も重要である。
成人に対する心肺蘇生で推奨される胸骨圧迫のテンポ(回数)として正しいのはどれか。
正解:c. 1分間に100〜120回
胸骨圧迫は1分間に100〜120回のテンポで行う。速すぎると圧迫が浅くなり、遅すぎると十分な循環が維持できない。圧迫の中断は最小限にすることが救命率向上に重要である。
AED(自動体外式除細動器)の電気ショックが有効となる代表的な心電図波形はどれか。
正解:a. 心室細動(VF)
AEDは心室細動(VF)や無脈性心室頻拍に対して電気ショックが有効である。心静止(アシストール)ではショックの適応はなく、胸骨圧迫を継続する。AEDが自動で解析しショック適応の有無を判断するため、指示に従えばよい。
運動中に倒れた成人が反応なく、正常な呼吸も認められない場合、最初に行うべき行動として最も適切なのはどれか。
正解:b. 大声で助けを呼びAEDと119番通報を要請してから胸骨圧迫を開始する
反応がなく正常な呼吸がない場合は心停止を疑い、ただちに大声で応援を呼びAEDの手配と119番通報を依頼し、胸骨圧迫を開始する。早期通報・早期CPR・早期除細動が救命の連鎖の要である。判断に迷う場合も圧迫を始めることが推奨される。
成人の気道異物による窒息で、患者に意識があり咳ができない(重度の気道閉塞)場合の応急処置として適切なのはどれか。
正解:b. 背部叩打法や腹部突き上げ法(ハイムリック法)を行う
意識があり有効な咳ができない重度の窒息では、背部叩打法と腹部突き上げ法(ハイムリック法)を交互に行い異物除去を試みる。妊婦や高度肥満者では胸部突き上げ法を用いる。反応がなくなったらただちにCPRを開始する。
四肢の出血に対する止血法のうち、まず最初に行うべき基本的な方法はどれか。
正解:c. 清潔なガーゼなどで出血部を直接押さえる直接圧迫止血法
外出血に対する基本はガーゼやハンカチで傷口を直接強く押さえる直接圧迫止血法である。多くの出血はこれで止まる。感染防止のため、可能であれば手袋などで救助者の手と血液の直接接触を避ける。
足関節(足首)の捻挫に対する急性期の応急処置「RICE処置」の組み合わせとして正しいのはどれか。
正解:b. 安静・冷却・圧迫・挙上
RICE処置はRest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の頭文字である。急性期は炎症と腫脹を抑えるため、患部を冷やし、圧迫し、心臓より高く挙上する。受傷直後の加温やマッサージは腫脹を助長するため避ける。
骨折が疑われる四肢の応急処置として適切なのはどれか。
正解:b. 副子(添え木)などで骨折部の上下の関節を含めて固定し動かさないようにする
骨折が疑われる場合は、副子で骨折部の上下の関節を含めて固定し、患部を動かさないことが原則である。無理な整復は神経や血管を損傷する恐れがあるため行わない。固定後は患肢を挙上し冷却すると腫脹や痛みの軽減に役立つ。
糖尿病患者の運動中に冷汗・動悸・手の震え・空腹感などが現れた。意識があり経口摂取が可能な低血糖が疑われる場合の対応として最も適切なのはどれか。
正解:b. ブドウ糖や砂糖など糖分をすぐに摂取させる
低血糖が疑われ意識があり経口摂取できる場合は、ブドウ糖や砂糖入り飲料など速やかに糖分を補給させる。放置すると意識障害に至る危険がある。意識がない場合は経口摂取させず、ただちに救急要請する。
運動や過度の不安により過換気症候群(過呼吸)を起こした人への対応として適切なのはどれか。
正解:b. 落ち着かせ、ゆっくりとした腹式呼吸を促す
過換気症候群では二酸化炭素が過度に排出され血液がアルカリ性に傾き、手足のしびれやめまいが生じる。対応は本人を安心させ、呼吸をゆっくり意識的に行わせて落ち着かせることである。かつて行われた紙袋による再呼吸法は低酸素の危険があるため推奨されない。
暑熱環境での運動中に起こる熱中症のうち、意識障害や高体温を伴い緊急性が最も高いのはどれか。
正解:d. 熱射病(重度の熱中症)
熱射病は体温調節機能が破綻し高体温と意識障害を伴う最も重症の熱中症で、生命に関わる緊急事態である。ただちに救急要請し、全身を冷却(頸部・腋窩・鼠径部など)しながら搬送する。意識がある軽症では涼しい場所で水分・塩分を補給し安静にする。
運動指導において、運動を中止すべき症状・徴候として最も適切なのはどれか。
正解:b. 胸痛・強い息切れ・めまいや冷汗が出現した
胸痛、強い息切れ、めまい、冷汗、動悸、強い疲労などは心血管系の異常を示唆する危険な徴候であり、ただちに運動を中止し安静にして対応する。軽い発汗や運動に伴う心拍数の上昇は正常な反応であり中止の理由にはならない。異常時は無理をさせず医療機関の受診を勧める。
運動施設の安全管理・リスク管理の観点から、緊急時に備えて日頃から整備しておくべきこととして適切でないのはどれか。
正解:c. 救急対応の訓練を定期的に実施しない
施設のリスク管理では、AEDの設置・使用法の周知、緊急連絡体制の整備、会員の健康情報の把握が不可欠である。救急対応訓練(シミュレーション)を定期的に実施しないのは適切でなく、むしろ定期的な訓練こそが緊急時の迅速な対応につながる。
運動開始前のリスク管理として、対象者の安全に運動できるかを事前に把握するために行うべき基本的な手続きはどれか。
正解:a. 問診やメディカルチェック(健康状態・既往歴・服薬状況の確認)を行う
運動開始前には問診やメディカルチェックにより健康状態、既往歴、服薬状況、自覚症状などを確認し、運動の可否やリスクを評価することが基本である。これによりハイリスク者を把握し、必要に応じて医師の許可を得たり強度を個別に調整したりできる。事故予防の第一歩となる重要な手続きである。