問1 競技体力・スピード/パワー
プライオメトリクスの効果の基盤となる「伸張短縮サイクル(SSC: ストレッチ・ショートニング・サイクル)」の3つの局面の正しい順序はどれか。
- a短縮(求心性)局面 → 償却局面 → 伸張(遠心性)局面
- b伸張(遠心性)局面 → 償却局面 → 短縮(求心性)局面
- c償却局面 → 伸張(遠心性)局面 → 短縮(求心性)局面
- d伸張(遠心性)局面 → 短縮(求心性)局面 → 償却局面
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正解:b. 伸張(遠心性)局面 → 償却局面 → 短縮(求心性)局面
SSCはまず遠心性(伸張)局面で筋・腱に弾性エネルギーを蓄え、続く償却局面(切り返しの移行時間)を経て、求心性(短縮)局面で蓄えたエネルギーと伸張反射を利用して爆発的に力を発揮する。償却局面が短いほど蓄えた弾性エネルギーが熱として失われにくく、出力が高まる。
問2 競技体力・スピード/パワー
パワー(仕事率)の定義として最も正確なものはどれか。
- a力 × 距離
- b質量 × 加速度
- c仕事 ÷ 時間(=力 × 速度)
- d力 ÷ 時間
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正解:c. 仕事 ÷ 時間(=力 × 速度)
パワーは単位時間あたりに行う仕事(仕事÷時間)であり、力×速度とも表される。力学的仕事は力×距離(力×変位)で定義されるため、その仕事を要した時間で割ったものがパワーとなり、ストレングス&コンディショニングではこの「速さを伴う力発揮」が競技パフォーマンスに直結する。
問3 競技体力・スピード/パワー
プライオメトリクスにおける「償却局面(amortization phase)」と爆発的パワー出力の関係として正しいものはどれか。
- a償却局面が長いほど弾性エネルギーが有効に使われ、出力が高まる
- b償却局面が短いほど蓄えた弾性エネルギーの損失が少なく、出力が高まる
- c償却局面の長さは出力に影響しない
- d償却局面では筋は完全に弛緩するため出力に関与しない
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正解:b. 償却局面が短いほど蓄えた弾性エネルギーの損失が少なく、出力が高まる
償却局面は遠心性局面から求心性局面へ切り替わるまでの「移行時間(電気的遅延)」であり、この時間が短いほど蓄えた弾性エネルギーが熱として散逸せず、伸張反射も有効に働いて求心性局面の出力が高まる。償却局面が長引くとSSCの恩恵は失われ、単なる求心性収縮に近づく。
問4 競技体力・スピード/パワー
オリンピックリフティング(クリーン、スナッチ等)がパワー開発に推奨される主たる理由として最も適切なものはどれか。
- a低速・高負荷で最大筋力のみを高めるから
- b高い力発揮を速い動作速度で行い、全身の三関節伸展で高いパワー出力を生むから
- c等尺性収縮が中心で関節への負担が少ないから
- d可動域が小さく安全に高重量を扱えるから
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正解:b. 高い力発揮を速い動作速度で行い、全身の三関節伸展で高いパワー出力を生むから
クリーンやスナッチなどのウエイトリフティング種目は、足関節・膝関節・股関節の爆発的な三関節伸展(トリプルエクステンション)を高速で行うため、大きな力を高速で発揮し非常に高いパワー出力を生み出す。多くの競技動作と運動パターンや出力特性が類似するため、パワー開発の中心的手段とされる。
問5 競技体力・スピード/パワー
SAQトレーニングにおける「アジリティ(敏捷性)」の最も適切な定義はどれか。
- aあらかじめ決められた方向に最大スピードで移動する能力
- b刺激に反応して速度・方向を素早く変える能力(知覚・意思決定を含む)
- c一定速度を長時間維持する有酸素能力
- d関節を最大可動域まで動かす柔軟性
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正解:b. 刺激に反応して速度・方向を素早く変える能力(知覚・意思決定を含む)
現在のNSCAの定義では、アジリティは刺激(相手や合図)に反応して全身の位置・速度・方向を素早く変える能力であり、知覚と意思決定の認知的要素を含む。あらかじめ方向が決まっている動作は「方向転換(change of direction)」であり、反応要素を含むアジリティとは区別される。
問6 競技体力・スピード/パワー
短距離スプリント走の「加速局面」におけるテクニックの特徴として最も適切なものはどれか。
- a上体を直立させ、接地を体の真下より前方で行う
- b前傾姿勢をとり、力強い股関節伸展で地面を後方へ押し出す
- c歩幅を最大化するために接地時間を長くする
- d腕振りを止め下肢のみで推進する
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正解:b. 前傾姿勢をとり、力強い股関節伸展で地面を後方へ押し出す
加速局面では体を前傾させ、接地を体の真下付近で行いつつ股関節・膝・足関節の力強い伸展で地面を後方へ押し出して水平方向の推進力を得る。最大速度局面に移行するにつれ徐々に上体は起き上がる。前傾と強い地面反力がこの局面のキーである。
問7 競技体力・スピード/パワー
プライオメトリクスプログラムを処方する前提条件として、一般に推奨されている下肢の筋力基準はどれか。
- aバックスクワット1RMが体重以上(目安:体重の1.5倍)であること
- b筋力基準は不要で、未経験者でも高強度から開始してよい
- cデッドリフト1RMが体重の3倍以上であること
- d握力が体重以上であること
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正解:a. バックスクワット1RMが体重以上(目安:体重の1.5倍)であること
NSCAは下肢プライオメトリクス開始の目安として、バックスクワット1RMが体重以上(伝統的には体重の約1.5倍)を扱えることを推奨している。十分な筋力的基盤がないと着地時の高い衝撃に耐えられず傷害リスクが高まるため、強度の高いプライオメトリクスは段階的に導入する。
問8 競技体力・スピード/パワー
「デプスジャンプ(drop jump)」の強度を高める最も直接的な方法はどれか。
- aセット間の休息時間を短くする
- bドロップする台(ボックス)の高さを上げる
- c1セットあたりの反復回数を増やす
- d両脚を片脚に変えずに行う
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正解:b. ドロップする台(ボックス)の高さを上げる
デプスジャンプは台から落下して着地直後に最大努力でジャンプする種目で、台の高さを上げるほど着地時の衝撃と要求される遠心性・SSC負荷が大きくなり強度が上がる。ただし高すぎると償却局面が延び着地姿勢が崩れるため、技術と筋力に応じた適切な高さ設定が重要である。
問9 競技体力・スピード/パワー
プライオメトリクスのトレーニング量(ボリューム)の指標として一般に用いられるものはどれか。
- a総挙上重量(kg)
- b1セッションあたりの地面接触回数(フットコンタクト数)
- c心拍数のピーク値
- d動作の関節可動域(度)
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正解:b. 1セッションあたりの地面接触回数(フットコンタクト数)
下肢プライオメトリクスのボリュームは「1セッションあたりの地面接触回数(フットコンタクト数)」で表すのが一般的で、初心者ほど少なく(例:80〜100回程度)、上級者ほど多く設定する。強度や経験レベルに応じて接触回数を管理することで過負荷と回復のバランスをとる。
問10 競技体力・スピード/パワー
レジステッドスプリント(そりやパラシュートで負荷をかけた走行)が主に狙う効果として最も適切なものはどれか。
- a最大速度局面のストライド頻度を最大化する
- b加速局面の水平方向の推進力(地面を押す力)を強化する
- c有酸素持久力を高める
- d柔軟性と可動域を拡大する
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正解:b. 加速局面の水平方向の推進力(地面を押す力)を強化する
そりや坂、パラシュートなどのレジステッドスプリントは抵抗を加えることで、加速局面で必要な水平方向の力発揮と力強い股関節伸展を強化することを主目的とする。過大な負荷は走動作のメカニクスを崩すため、フォームを大きく変えない範囲の負荷設定が推奨される。
問11 競技体力・スピード/パワー
力-速度曲線(force-velocity curve)に関する記述として正しいものはどれか。
- a筋が発揮できる力は短縮速度が速いほど大きくなる
- b筋が発揮できる力は短縮速度が速くなるほど小さくなる(反比例的関係)
- c力と速度は無関係で常に一定である
- d最大パワーは最大筋力時(速度ゼロ)に発揮される
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正解:b. 筋が発揮できる力は短縮速度が速くなるほど小さくなる(反比例的関係)
求心性収縮では短縮速度が速くなるほど発揮できる力は小さくなる反比例的関係(力-速度曲線)がある。最大パワーは最大筋力でも最大速度でもなく、その中間の負荷・速度域(おおむね最大筋力の約30〜45%付近)で発揮されるため、パワー向上には力と速度の双方をバランスよく鍛える必要がある。
問12 競技体力・スピード/パワー
プライオメトリクスや高強度スプリントトレーニング後の回復に関する一般的なガイドラインとして最も適切なものはどれか。
- a高強度プライオメトリクスは同一筋群に対し毎日連続して行うのが望ましい
- b高強度のセッション間は同一筋群に対して48〜72時間の回復をとるのが望ましい
- c回復時間は不要で、疲労を感じたら即座に中止すればよい
- dセット内の反復間休息は不要で連続反復が望ましい
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正解:b. 高強度のセッション間は同一筋群に対して48〜72時間の回復をとるのが望ましい
プライオメトリクスや高強度スプリントはSSCと神経筋系への負荷が大きいため、同一筋群への高強度セッションは48〜72時間の回復を空けるのが一般的なガイドラインである。各反復は最大努力・最大の質で行う必要があるため、セット内・セット間にも十分な休息をとり、疲労による技術低下と傷害を防ぐ。
問13 競技体力・スピード/パワー
プライオメトリクスにおいて、伸張(エキセントリック)局面から短縮(コンセントリック)局面への切り替えに要する時間を指す概念は次のうちどれか。
- aアモチゼーション局面(amortization phase)
- b遠心性遅延
- c求心性プレローディング
- d等尺性持続時間
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正解:a. アモチゼーション局面(amortization phase)
アモチゼーション局面は伸張から短縮への切り替え(接地)に要する時間で、伸張−短縮サイクル(SSC)の効率を左右する。この時間が短いほど蓄えた弾性エネルギーと伸張反射を有効に活用でき、出力パワーが高まる。
問14 競技体力・スピード/パワー
NSCAの一般的ガイドラインで、下肢のプライオメトリクスを高強度で行う前に推奨される筋力の目安として最も適切なものはどれか。
- aバックスクワット1RMが体重の0.5倍以上
- bバックスクワット1RMが体重の1.5倍以上
- cデッドリフト1RMが体重の3倍以上
- dベンチプレス1RMが体重以上
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正解:b. バックスクワット1RMが体重の1.5倍以上
NSCAは高強度の下肢プライオメトリクスに進む前提として、バックスクワット1RMが体重の約1.5倍を確保することを推奨している。十分な最大筋力は着地時の衝撃を制御し、傷害リスクを下げるための基盤となる。
問15 競技体力・スピード/パワー
短距離走の最高速度(マックスベロシティ)局面における接地・走動作の特徴として正しいものはどれか。
- a上体は大きく前傾し、推進は水平方向が支配的である
- b接地は身体重心のほぼ真下で行われ、地面反力は鉛直成分が大きくなる
- cかかと接地で接地時間を長くとる
- d腕振りを最小限にして体幹を固定する
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正解:b. 接地は身体重心のほぼ真下で行われ、地面反力は鉛直成分が大きくなる
最高速度局面では身体は直立に近く、接地は重心の真下付近で短時間に行われ、地面反力は鉛直成分が大きくなる。一方、加速局面では上体を前傾させ水平方向の推進力を生み出すため、両局面で力の方向と姿勢が異なる。
問16 競技体力・スピード/パワー
アジリティ(敏捷性)の定義として、NSCAの枠組みで最も適切なものはどれか。
- a最大速度で直線を走る能力
- bあらかじめ計画された経路を素早く方向転換する純粋な身体能力
- c刺激に反応して速度や方向を変化させる能力で、知覚・意思決定の要素を含む
- d静止状態から最大筋力を発揮する能力
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正解:c. 刺激に反応して速度や方向を変化させる能力で、知覚・意思決定の要素を含む
現代のNSCAの枠組みでは、アジリティは刺激への反応(知覚・意思決定)を伴って速度や方向を変える能力と定義される。これに対し、あらかじめ決められた経路をこなす能力は『方向転換(change of direction)』として区別される。
問17 競技体力・スピード/パワー
垂直方向のプライオメトリクスにおける安全な着地技術として最も適切な指導点はどれか。
- a膝を完全に伸展させたまま硬い接地で衝撃を受け止める
- b足趾だけで接地し、足関節・膝・股関節は固定する
- c母趾球から接地して足関節・膝・股関節で衝撃を吸収し、膝が内側に入らないようにする
- dかかとから一直線に着地し体幹を後傾させる
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正解:c. 母趾球から接地して足関節・膝・股関節で衝撃を吸収し、膝が内側に入らないようにする
安全な着地では母趾球から接地し、足関節・膝・股関節を協調的に屈曲させて衝撃を分散吸収する。膝が内側に入る(knee valgus)動作はACL傷害リスクを高めるため、膝を足先方向に保つよう指導することが重要である。
問18 競技体力・スピード/パワー
プライオメトリクスの効果を最大化するうえで、伸張−短縮サイクル(SSC)を最も有効に活用できる条件はどれか。
- a伸張局面の後に十分な休止を入れてから短縮局面を行う
- b伸張局面から短縮局面への切り替えを可能な限り素早く行う
- cゆっくりとした大きな可動域で動作する
- d接地時間をできるだけ長くする
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正解:b. 伸張局面から短縮局面への切り替えを可能な限り素早く行う
SSCでは伸張局面で蓄えた弾性エネルギーと伸張反射を、短縮局面ですぐに利用することで出力が高まる。切り替え(アモチゼーション)に時間がかかるとエネルギーが熱として散逸し、伸張反射の効果も減衰してしまう。
問19 競技体力・スピード/パワー
トレーニングの『特異性(specificity)』とパワー転移の観点から、スポーツパフォーマンス向上のために推奨される考え方はどれか。
- a競技動作の速度・関節角度・力の方向に近い動作で鍛えるほど転移が大きい
- b重ければ重いほど常に競技への転移が大きい
- cゆっくりした等尺性運動が最も転移が大きい
- d負荷様式は競技と無関係でよい
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正解:a. 競技動作の速度・関節角度・力の方向に近い動作で鍛えるほど転移が大きい
トレーニングの特異性原則により、競技で要求される速度・関節角度・力発揮方向に近い動作ほど転移が大きくなる。そのため最大筋力だけでなく、競技に近い高速・爆発的な動作(パワー)を含めることがパフォーマンス転移に重要となる。
問20 競技体力・スピード/パワー
力−速度曲線(force-velocity curve)に基づくと、爆発的パワー向上を狙うトレーニングの特徴として正しいものはどれか。
- a最大負荷で限界まで反復し、動作速度を意図的に遅くする
- b中程度の負荷を最大の意図的スピードで挙上する
- c常に超軽量負荷でゆっくり動く
- d負荷ゼロで疲労困憊まで反復する
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正解:b. 中程度の負荷を最大の意図的スピードで挙上する
パワーは力と速度の積であり、力−速度曲線上で両者の積が最大となる中間領域でパワーが最大化する。したがってパワー向上には中程度の負荷を最大の意図的スピードで動かすトレーニングが有効である。
問21 競技体力・スピード/パワー
メディシンボールを用いたパワートレーニングが、ウエイトリフティングなどの一部の爆発的種目に比べて持つ利点として最も適切なものはどれか。
- a最大筋力の絶対値を高めるのに最適である
- b動作の最後にブレーキ(減速)をかける必要がなくボールを投げ放つことで全可動域で加速できる
- c関節角度を固定して等尺性に発揮できる
- d低速での持久的反復に向いている
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正解:b. 動作の最後にブレーキ(減速)をかける必要がなくボールを投げ放つことで全可動域で加速できる
通常のウエイト種目では動作終盤に減速局面が生じるが、メディシンボール投げは最後まで加速してボールを放つため、動作全域で爆発的に力を発揮できる。上半身や体幹の回旋系パワー、全身の連動を鍛える手段として有用である。
問22 競技体力・スピード/パワー
デプスジャンプ(ドロップジャンプ)におけるボックスの高さ設定について、NSCAの一般的指針として正しいものはどれか。
- a高ければ高いほど常に効果的なので最大高を用いる
- b接地時間が延び着地姿勢が崩れるほど高すぎる可能性があり、能力に応じて適切な高さを選ぶ
- c高さは関係なく回数だけを増やせばよい
- d必ず床面と同じ高さから行う
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正解:b. 接地時間が延び着地姿勢が崩れるほど高すぎる可能性があり、能力に応じて適切な高さを選ぶ
デプスジャンプは過度に高いボックスを用いると着地衝撃が大きくなり接地時間が延びてSSCの効果が損なわれ、傷害リスクも高まる。一般に多くの対象者では中程度(およそ30〜60cm程度)の範囲で、着地と切り返しが適切に行える高さを選ぶ。
問23 競技体力・スピード/パワー
リアクティブ・ストレングス(reactive strength)を評価・トレーニングするうえで重視される要素はどれか。
- a長時間の等尺性保持能力
- b短い接地時間で大きな出力を生み出す能力(リアクティブ・ストレングス・インデックスなど)
- c最大酸素摂取量
- d柔軟性の絶対可動域
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正解:b. 短い接地時間で大きな出力を生み出す能力(リアクティブ・ストレングス・インデックスなど)
リアクティブ・ストレングスは短い接地時間でいかに大きな反発出力を生み出せるかを示し、ジャンプ高を接地時間で割ったリアクティブ・ストレングス・インデックス(RSI)で評価される。SSCの速い切り返し能力を反映し、プライオメトリクスの主要な狙いの一つである。
問24 競技体力・スピード/パワー
方向転換(change of direction)動作で減速・再加速を効率化するための技術指導点として最も適切なものはどれか。
- a重心を高く保ったまま膝を伸ばして接地する
- b減速局面で重心を低くし、足を進行方向よりやや外側に置いて踏み込む
- c上体を反らして後方に体重をかける
- d接地足を体の真下に置き方向転換は腕だけで行う
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正解:b. 減速局面で重心を低くし、足を進行方向よりやや外側に置いて踏み込む
効率的な方向転換では減速局面で重心を低く下げ、接地足を進行方向の外側に置いて地面を斜めに押すことで横方向の力を生み出し再加速する。重心を低く保つことで制動と切り返しのコントロールが向上し、膝への過度な負担も抑えられる。
問25 競技体力・スピード/パワー
プライオメトリクスにおける反応的筋力指標(RSI: Reactive Strength Index)の標準的な算出式として正しいものはどれか。
- aジャンプ高 ÷ 接地時間
- b接地時間 ÷ ジャンプ高
- cジャンプ高 × 体重
- d滞空時間 ÷ ジャンプ高
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正解:a. ジャンプ高 ÷ 接地時間
RSIはジャンプ高(または滞空時間)を接地時間で除して求め、伸張-短縮サイクル(SSC)を素早く爆発的に利用する能力を示す。値が高いほど短い接地時間で大きな出力を生み出せていることを意味し、デプスジャンプの最適な落下高設定の指標にも用いられる。
問26 競技体力・スピード/パワー
デプスジャンプ(ドロップジャンプ)で台の高さを決める際の指針として最も適切なものはどれか。
- a常に最大の効果を得るため120cm以上の高い台を用いる
- b接地時間が極端に延びず跳躍高が低下しない範囲の高さを選ぶ
- c体重が重い選手ほど高い台を用いるのが原則である
- d高さは効果に影響しないため任意でよい
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正解:b. 接地時間が極端に延びず跳躍高が低下しない範囲の高さを選ぶ
台が高すぎると着地衝撃が大きくなり接地時間が延びて跳躍高が落ち、SSCの速い利用ができず傷害リスクも高まる。一般に30〜60cm程度から始め、跳躍高が維持できる範囲で高さを設定する。RSIを用いて個別最適化するのが望ましい。
問27 競技体力・スピード/パワー
プライオメトリクスにおける伸張-短縮サイクル(SSC)を生理学的に説明する要因として最も適切でないものはどれか。
- a直列弾性要素への弾性エネルギーの貯蔵と再利用
- b筋紡錘を介した伸張反射の促通
- cゴルジ腱器官による収縮の抑制が主たる出力増大要因である
- d短い償却局面(amortization phase)による弾性エネルギーの効率的利用
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正解:c. ゴルジ腱器官による収縮の抑制が主たる出力増大要因である
SSCによる出力増大は、直列弾性要素への弾性エネルギー貯蔵、筋紡錘の伸張反射、そして短い償却局面による効率的なエネルギー利用で説明される。ゴルジ腱器官は過度な張力に対し抑制的に働くため出力を高める主要因ではなく、むしろトレーニングでその抑制を脱抑制することが適応の一つとされる。
問28 競技体力・スピード/パワー
プライオメトリクスにおける償却局面(amortization phase)に関する説明として正しいものはどれか。
- a伸張(離心性)局面から短縮(求心性)局面へ移行する間の接地時間であり、短いほど効果的である
- bジャンプの最高到達点で身体が静止する局面である
- c求心性収縮が完了して着地に向かう空中局面である
- d長いほど弾性エネルギーが多く利用できる
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正解:a. 伸張(離心性)局面から短縮(求心性)局面へ移行する間の接地時間であり、短いほど効果的である
償却局面は離心性局面から求心性局面へ切り替わる接地接触の時間であり、この局面が長いと貯蔵された弾性エネルギーが熱として散逸し伸張反射も弱まる。したがってこの局面を短く保つことがプライオメトリクスの主目的の一つである。
問29 競技体力・スピード/パワー
全力スプリント(最大速度局面)における望ましい走動作の特徴として最も適切なものはどれか。
- a接地は身体重心のはるか前方で行い、踵から強く踏み込む
- b接地は重心のほぼ真下付近で行い、母趾球(前足部)で短く力強く行う
- c腕は肘を伸ばして大きく水平方向に振る
- d接地時間をできるだけ長くして大きな力積を得る
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正解:b. 接地は重心のほぼ真下付近で行い、母趾球(前足部)で短く力強く行う
最大速度局面では接地を重心のほぼ真下付近で前足部により短時間で行うことで、ブレーキ作用を最小化し高い水平速度を維持できる。重心前方での踵接地はブレーキ力を増やし減速を招く。腕振りは肘を約90度に保ち矢状面で行う。
問30 競技体力・スピード/パワー
スプリントの加速局面(スタート直後)の身体姿勢・動作として最も適切なものはどれか。
- a体幹を直立させ、最大速度局面と同じ高い姿勢を保つ
- b前傾姿勢をとり、歩幅は短めで地面を後方へ強く押し出すように接地する
- c接地を重心の前方で行い、ストライドを最大化する
- d踵接地で長い接地時間をとる
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正解:b. 前傾姿勢をとり、歩幅は短めで地面を後方へ強く押し出すように接地する
加速局面では身体を前傾させ重心を前方に置き、地面を後方へ力強く押すことで水平方向の推進力を高める。歩幅は徐々に増し、姿勢も速度の増加に伴い徐々に起き上がる。最大速度局面に比べ前傾と地面反力の水平成分が大きいのが特徴。
問31 競技体力・スピード/パワー
走速度はストライド長(歩幅)とストライド頻度(ピッチ)の積で決まる。この関係に関する記述として最も適切なものはどれか。
- a走速度 = ストライド長 × ストライド頻度 で表される
- b走速度はストライド長のみで決まりストライド頻度は無関係である
- cストライド長を無制限に伸ばせば常に速度は向上する
- dストライド頻度はトレーニングで変化しない固定値である
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正解:a. 走速度 = ストライド長 × ストライド頻度 で表される
走速度はストライド長とストライド頻度の積で決定される。一方を過度に大きくすると他方が低下しやすく(例:歩幅を伸ばしすぎると接地が重心前方になりブレーキとピッチ低下を招く)、両者の最適なバランスが重要である。
問32 競技体力・スピード/パワー
方向転換(change of direction)とアジリティの概念上の違いとして最も適切なものはどれか。
- a両者は完全に同義で互換的に使える用語である
- bアジリティは刺激への認知・意思決定を伴う反応動作を含み、方向転換は事前計画された動作技術である
- c方向転換は反応を伴い、アジリティは事前計画された動作である
- dアジリティは直線スピードのみを指す
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正解:b. アジリティは刺激への認知・意思決定を伴う反応動作を含み、方向転換は事前計画された動作技術である
方向転換(COD)は事前にわかっている経路を素早く切り返す身体的・技術的能力を指す。一方アジリティは外的刺激に対する知覚・意思決定(perceptual-cognitive)要素を含み、それに応じて全身の位置・方向・速度を素早く変える能力と定義される。両者は重なるが同一ではない。
問33 競技体力・スピード/パワー
減速および切り返し局面で、効率的かつ膝への負担を抑えた方向転換のために重視すべき技術として最も適切なものはどれか。
- a上体を高く起こし、膝を完全伸展位で接地する
- b重心を下げ、足を重心の外側に広く置いてブレーキ・推進の地面反力を得る
- c接地足を重心の真下に置き、体幹をできるだけ垂直に保つ
- d減速はせず最大速度のまま方向を変える
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正解:b. 重心を下げ、足を重心の外側に広く置いてブレーキ・推進の地面反力を得る
切り返しでは重心を下げて低い姿勢をとり、進行方向と反対側へ足を踏み込んで(重心の外側に接地)大きなブレーキ力と新たな方向への推進力を生む。膝を伸展位で接地すると衝撃吸収ができず傷害リスクが高まるため、股関節・膝・足関節で衝撃を吸収する。
問34 競技体力・スピード/パワー
上半身のパワー・SSC能力評価や爆発的トレーニングとして用いられる代表的なプライオメトリック種目はどれか。
- aベンチプレスの1RMテスト
- bプライオメトリック・プッシュアップ(クラッピングプッシュアップ)
- cラットプルダウン
- dアイソメトリック・プランク
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正解:b. プライオメトリック・プッシュアップ(クラッピングプッシュアップ)
プライオメトリック・プッシュアップは身体が地面から離れる爆発的なプッシュアップで、上肢のSSCを利用してパワー発揮能力を高めるプライオメトリック種目である。メディシンボール・チェストパスなども上半身プライオメトリクスに含まれる。1RMやアイソメトリック種目はSSC利用の爆発的動作ではない。
問35 競技体力・スピード/パワー
下肢プライオメトリクスの強度を分類した場合、一般に強度(負荷・衝撃)が最も低いとされる種目はどれか。
- a高所からのデプスジャンプ
- b片脚での連続バウンディング
- c両脚でのその場ジャンプ(ジャンプ・イン・プレイス)
- dボックスからの連続シングルレッグホップ
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正解:c. 両脚でのその場ジャンプ(ジャンプ・イン・プレイス)
プライオメトリクスは一般に、その場ジャンプ→立ち幅跳び系→複数ホップ・バウンド→ボックスドリル→デプスジャンプの順で強度が高まる。両脚でのその場ジャンプは衝撃が比較的小さく初級者向き。片脚動作や高所からの落下を伴う種目は強度が高い。
問36 競技体力・スピード/パワー
プライオメトリクスのトレーニング量を表す一般的な単位と、初級者の1セッションあたりの推奨量の目安として最も適切なものはどれか。
- a総挙上重量(kg)で表し、初級者は3,000kgが目安
- b下肢では接地回数(foot contacts)で表し、初級者は1セッションおおむね80〜100回程度
- c走行距離(m)で表し、初級者は1,000mが目安
- d実施時間(分)で表し、初級者は60分が目安
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正解:b. 下肢では接地回数(foot contacts)で表し、初級者は1セッションおおむね80〜100回程度
下肢プライオメトリクスの量は接地回数(foot contacts)で管理され、初級者でおおむね80〜100回、中級者100〜120回、上級者120〜140回程度が一般的な1セッションの目安とされる。強度の高い種目では同じ接地回数でも負荷が大きい点に留意する。
問37 競技体力・スピード/パワー
プライオメトリクス実施前のレジスタンストレーニングによる基礎筋力の前提条件として、しばしば下半身で推奨される目安はどれか。
- aスクワット1RMが体重と同等以上(下肢)を目安とする
- b特に筋力的な前提は不要で、誰でもすぐ高強度を行ってよい
- cベンチプレス1RMが体重の2倍以上であること
- dデッドリフト1RMが体重の3倍以上であること
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正解:a. スクワット1RMが体重と同等以上(下肢)を目安とする
高強度の下肢プライオメトリクスを安全に行うための一般的目安として、バックスクワット1RMが体重の1.5倍程度(少なくとも体重と同等以上)という基礎筋力が推奨されることが多い。十分な筋力がないと着地衝撃に耐えられず傷害リスクが高まる。
問38 競技体力・スピード/パワー
SAQトレーニングにおける「クイックネス」の説明として最も適切なものはどれか。
- a一定方向へできる限り長く全力疾走を続ける持久的能力
- b刺激に対して素早く反応し、加速・方向転換などを爆発的に開始する能力
- c最大筋力を発揮するための1RM挙上能力
- d一定ペースを長時間維持する有酸素的能力
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正解:b. 刺激に対して素早く反応し、加速・方向転換などを爆発的に開始する能力
SAQはSpeed(スピード)、Agility(アジリティ)、Quickness(クイックネス)の略で、クイックネスは刺激に対し素早く反応して動作を爆発的に開始・実行する能力を指す。短い距離・時間での反応的な動き出しの速さが中心で、有酸素能力や最大筋力とは別概念である。