NSCA-CSCS機能解剖・バイオメカニクス」一問一答(全26問)

NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリストの「機能解剖・バイオメカニクス」分野の練習問題です。「答えと解説を見る」を開くと正解と解説を確認できます。フィットネスジム店長熊太郎が作成。4択の演習モードで解きたい方はNSCA-CSCSのドリルへ。

1 機能解剖・バイオメカニクス

てこ(レバー)の分類で、支点が力点(筋の付着部による力)と荷重点(抵抗)の間にあるものはどれか。

  1. a第1のてこ
  2. b第2のてこ
  3. c第3のてこ
  4. d第4のてこ
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正解:a. 第1のてこ

支点が力点と荷重点の間にあるのは第1のてこで、首の伸展(環椎後頭関節)などが代表例である。第2のてこは荷重点が中央(立ち上がりのつま先立ち)、第3のてこは力点が中央で、人体の多くの骨格筋系がこれに該当する。

2 機能解剖・バイオメカニクス

人体の骨格筋系の多くが第3のてこ(力点が支点と荷重点の間)であることの機械的な特徴として正しいものはどれか。

  1. a力学的有利(メカニカルアドバンテージ)が高く小さな筋力で大きな荷重を扱える
  2. b可動範囲と運動速度では有利だが筋は荷重より大きな力を出す必要がある
  3. c力にも速度にも常に不利である
  4. d支点にかかる力が常にゼロになる
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正解:b. 可動範囲と運動速度では有利だが筋は荷重より大きな力を出す必要がある

第3のてこは力のモーメントアーム(支点から力点まで)が抵抗のモーメントアームより短いため、筋は抵抗より大きな力を発揮する必要があり力学的には不利である。一方で、筋のわずかな短縮で大きな関節可動域と高い末端速度が得られるという速度・可動域上の利点がある。

3 機能解剖・バイオメカニクス

トルク(回転力・モーメント)の大きさを最も正しく表しているものはどれか。

  1. a力 × モーメントアーム(回転軸から力の作用線までの垂直距離)
  2. b力 × 物体の質量
  3. c力 ÷ 速度
  4. d質量 × 加速度
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正解:a. 力 × モーメントアーム(回転軸から力の作用線までの垂直距離)

トルクは力の大きさと、回転軸から力の作用線までの垂直距離(モーメントアーム)の積で決まる。同じ力でもモーメントアームが長いほどトルクは大きくなり、関節まわりの筋トルクや外的負荷の評価に用いられる。

4 機能解剖・バイオメカニクス

アームカール中、肘関節が90度のときにダンベルによる外的トルクが最大になりやすい理由として正しいものはどれか。

  1. a重力が90度のときだけ増えるから
  2. b前腕が水平になり重力ベクトルに対するモーメントアームが最大になるから
  3. c筋の張力がそのとき最小になるから
  4. d関節角度はトルクに無関係でたまたまである
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正解:b. 前腕が水平になり重力ベクトルに対するモーメントアームが最大になるから

外的トルクは荷重(重力)とそのモーメントアームの積で、重力は常に鉛直下向きである。肘90度で前腕が水平になるとき、回転軸からダンベルの作用線までの垂直距離(モーメントアーム)が最大となり、外的トルクが最大化する。

5 機能解剖・バイオメカニクス

筋の力-速度関係について、短縮性(コンセントリック)収縮で一般に成り立つものはどれか。

  1. a短縮速度が速いほど発揮できる力は大きくなる
  2. b短縮速度が速いほど発揮できる力は小さくなる
  3. c速度と力は無関係である
  4. d速度が上がると力は一定のまま増減しない
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正解:b. 短縮速度が速いほど発揮できる力は小さくなる

短縮性収縮では、収縮速度が速くなるほど発揮できる力は小さくなる(力-速度関係)。これはクロスブリッジが結合・力発揮できる時間が短くなるためで、最大筋力は速度がゼロに近い(等尺性に近い)ほど高くなる。

6 機能解剖・バイオメカニクス

同一の筋について、伸張性(エキセントリック)収縮と短縮性(コンセントリック)収縮の最大発揮張力を比べたとき一般に正しいのはどれか。

  1. a短縮性のほうが大きい
  2. b伸張性のほうが大きい
  3. c両者は常に等しい
  4. d等尺性が最も小さい
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正解:b. 伸張性のほうが大きい

同じ速度域で比較すると、伸張性収縮では短縮性収縮や等尺性収縮よりも大きな張力を発揮できる。これは受動的要素や付着したクロスブリッジへの負荷分担などが関与するためで、エキセントリック局面で扱える負荷が大きいことの一因となる。

7 機能解剖・バイオメカニクス

羽状筋(ペネイト筋)が紡錘状筋に比べて一般に有利なのはどの点か。

  1. a同じ筋容積あたりの生理学的横断面積が大きく大きな力を発揮しやすい
  2. b筋線維が長く高速・大可動域に有利
  3. c腱がないため疲労しにくい
  4. d羽状角があるため必ず収縮速度が速い
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正解:a. 同じ筋容積あたりの生理学的横断面積が大きく大きな力を発揮しやすい

羽状筋は線維が腱に対して斜めに配列されるため、同じ筋容積でも生理学的横断面積(PCSA)を大きくでき、より大きな力を発揮しやすい。一方で個々の線維が短いため、紡錘状筋に比べて短縮量(可動域)や収縮速度の点では不利になりやすい。

8 機能解剖・バイオメカニクス

安定性(スタビリティ)を高める力学的条件として正しいものはどれか。

  1. a重心位置を高くし支持基底面を狭くする
  2. b重心位置を低くし支持基底面を広くする
  3. c重心を支持基底面の縁に近づける
  4. d質量を小さくする
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正解:b. 重心位置を低くし支持基底面を広くする

安定性は、支持基底面が広いほど、重心の位置が低いほど、また重心の鉛直投影が支持基底面の中央に近いほど、そして質量が大きいほど高くなる。スクワット時に足幅を広げ重心を下げると安定するのはこのためである。

9 機能解剖・バイオメカニクス

回転運動における慣性モーメント(回転のしにくさ)について正しいものはどれか。

  1. a質量が回転軸から遠いほど大きくなる
  2. b質量が回転軸に近いほど大きくなる
  3. c回転軸からの距離とは無関係である
  4. d速度が速いほど自動的に小さくなる
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正解:a. 質量が回転軸から遠いほど大きくなる

慣性モーメントは質量とその回転軸からの距離の2乗に依存し、質量が軸から遠いほど大きく(回しにくく)なる。回転動作で四肢を体幹に引きつけると慣性モーメントが小さくなり角速度が増す(角運動量保存)現象に応用される。

10 機能解剖・バイオメカニクス

床反力(地面反力、GRF)が生じる根拠となる物理法則はどれか。

  1. aニュートンの第1法則(慣性の法則)
  2. bニュートンの第2法則(F=ma)
  3. cニュートンの第3法則(作用・反作用の法則)
  4. d万有引力の法則
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正解:c. ニュートンの第3法則(作用・反作用の法則)

地面を押す力(作用)に対して地面が同じ大きさで逆向きに押し返す力(反作用)が床反力であり、ニュートンの第3法則に基づく。ジャンプや走行の推進力は、この床反力を介して身体に作用する外力として扱われる。

11 機能解剖・バイオメカニクス

スクワット時に膝関節への負荷(剪断力・圧縮力)に影響する要因として最も適切なものはどれか。

  1. a膝が屈曲しても外的モーメントアームは変化しない
  2. b膝の前方への移動量や屈曲角度により外的モーメントアームと関節負荷が変化する
  3. c負荷は完全に股関節のみで決まり膝には無関係
  4. dバーの重量は関節負荷に影響しない
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正解:b. 膝の前方への移動量や屈曲角度により外的モーメントアームと関節負荷が変化する

スクワットの下降に伴い膝屈曲角が大きくなると、抵抗(体重+バー)に対する膝関節のモーメントアームが変化し、伸展筋群が発揮すべきトルクと関節にかかる力が変わる。膝の前方移動や深さ、負荷の大きさが膝の圧縮・剪断力に影響する。

12 機能解剖・バイオメカニクス

関節角度と発揮トルクの関係について、多くの単関節運動で観察される一般的傾向はどれか。

  1. a可動域全体で発揮トルクは完全に一定である
  2. b筋の長さ-張力関係とモーメントアームの変化により可動域の中間付近で最大トルクとなることが多い
  3. c最大トルクは常に完全伸展位で得られる
  4. dトルクは関節角度に依存しない
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正解:b. 筋の長さ-張力関係とモーメントアームの変化により可動域の中間付近で最大トルクとなることが多い

発揮できる関節トルクは、筋の長さ-張力関係(至適長付近で張力最大)と、関節角度によって変化するモーメントアームの両方に依存する。その結果、多くの単関節運動では可動域の中間付近でトルクが最大となる強度曲線(ストレングスカーブ)を示すことが多い。

13 機能解剖・バイオメカニクス

肘関節屈曲時、上腕二頭筋の停止部が肘関節中心から4cm、手に保持したダンベルが肘関節中心から30cmの位置にある。ダンベルによる外的トルクと釣り合うために二頭筋が発揮すべき筋力は、ダンベル重量の何倍になるか。

  1. a約0.13倍
  2. b約1倍
  3. c約7.5倍
  4. d約30倍
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正解:c. 約7.5倍

回転を維持するには筋トルクと負荷トルクが等しくなる必要があり、力 = 負荷 × (負荷モーメントアーム / 筋モーメントアーム) = 負荷 × (30/4) = 7.5倍となる。第3のテコ(力点が支点と作用点の間)では筋の作用線が短いため、外的負荷より大きな筋力が要求される。

14 機能解剖・バイオメカニクス

ヒトの骨格筋における関節運動の大部分が「第3のテコ(third-class lever)」として機能することの力学的な帰結として正しいものはどれか。

  1. a力では不利だが、四肢末端の運動範囲と速度で有利になる
  2. b力で有利になり、小さな筋力で重い負荷を持ち上げられる
  3. c支点が両端の間にあり、常に平衡を保ちやすい
  4. dモーメントアームが負荷側より常に長く、機械的有利率が1を超える
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正解:a. 力では不利だが、四肢末端の運動範囲と速度で有利になる

第3のテコは力点(筋付着部)が支点と抵抗点の間にあり、力のモーメントアームが抵抗のモーメントアームより短いため機械的有利率は1未満となる。力では不利だが、わずかな筋の短縮で末端が大きく速く動くため、四肢の高速運動に適している。

15 機能解剖・バイオメカニクス

筋の力-速度関係(force-velocity relationship)について、短縮性(コンセントリック)収縮で正しい記述はどれか。

  1. a短縮速度が速いほど発揮できる力は大きくなる
  2. b短縮速度が速いほど発揮できる力は小さくなる
  3. c速度に関わらず発揮できる力は一定である
  4. d最大の力は最大短縮速度のときに発揮される
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正解:b. 短縮速度が速いほど発揮できる力は小さくなる

短縮性収縮では収縮速度が増すほど発揮張力は減少し、最大筋力は速度ゼロ(等尺性)付近で得られる。これはアクチン-ミオシンのクロスブリッジ形成が高速では追いつかないためで、パワー(力×速度)は中間速度で最大となる。

16 機能解剖・バイオメカニクス

同一の筋について、伸張性(エキセントリック)収縮で発揮できる最大張力は、最大等尺性張力と比べてどうなるか。

  1. a小さくなる
  2. b同じである
  3. c大きくなる
  4. dゼロになる
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正解:c. 大きくなる

伸張性収縮では筋が外力で引き伸ばされながら張力を出すため、付着したクロスブリッジへの機械的負荷と受動的要素の寄与により、最大等尺性張力を上回る張力(おおむね1.3倍前後)を発揮できる。これがエキセントリックトレーニングで高負荷を扱える力学的根拠である。

17 機能解剖・バイオメカニクス

スクワットにおいて、バーベルの重心を足部支持基底面の上に保ちつつ深くしゃがむほど、一般に膝関節と股関節のモーメントアームは長くなる。これが意味する力学的影響として正しいものはどれか。

  1. a関節に作用する外的トルクが増し、伸展筋群の必要トルクが増大する
  2. b外的トルクが減少し、筋負荷が軽くなる
  3. cモーメントアームは関節トルクに影響しない
  4. d重心が支持基底面外に出るため必ず転倒する
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正解:a. 関節に作用する外的トルクが増し、伸展筋群の必要トルクが増大する

関節トルク = 外力(体重・バーベル)× その関節中心からの水平距離(モーメントアーム)で決まる。深くしゃがむと荷重線と関節の水平距離が増し外的トルクが大きくなるため、それに抗する伸展筋群はより大きなトルクを発揮しなければならない。

18 機能解剖・バイオメカニクス

回転運動における角運動量(angular momentum)について正しい記述はどれか。空中での体操選手の回転を例に考える。

  1. a空中では外的トルクがほぼ働かないため角運動量は保存され、慣性モーメントを小さくすると角速度が増す
  2. b空中で身体を伸ばすと角速度が増し回転が速くなる
  3. c角運動量は質量だけで決まり、身体の形状とは無関係である
  4. d慣性モーメントを大きくすると角運動量が増えて回転が加速する
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正解:a. 空中では外的トルクがほぼ働かないため角運動量は保存され、慣性モーメントを小さくすると角速度が増す

空中では重力以外の外的トルクがほぼ作用しないため角運動量(= 慣性モーメント × 角速度)は保存される。身体を丸めて慣性モーメントを小さくすると、積が一定に保たれるよう角速度が増し回転が速くなる(逆に伸ばすと遅くなる)。

19 機能解剖・バイオメカニクス

ある選手が走り幅跳びの踏切で接地時間0.12秒の間に大きな力積(impulse)を地面に与えた。力積と運動量の関係(力積=運動量変化)から、踏切で大きな水平・垂直速度を得るために最も重要な要素はどれか。

  1. a接地時間を可能な限り長くすること
  2. b発揮する力と作用時間の積(力積)を最大化すること
  3. c体重を増やして慣性を高めること
  4. d接地中に力を一定に保つこと
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正解:b. 発揮する力と作用時間の積(力積)を最大化すること

力積(力×作用時間)は運動量変化(質量×速度変化)に等しいため、離地時の速度を高めるには力積を最大化する必要がある。踏切は接地時間が短いため、短時間に大きな力を発揮して力積を稼ぐことが跳躍速度の決定要因となる。

20 機能解剖・バイオメカニクス

投擲動作などにみられる「運動連鎖(キネティックチェーン)」による近位から遠位への順序的な動員(proximal-to-distal sequencing)の主な力学的目的はどれか。

  1. a大きく重い近位セグメントから先に加速し、エネルギーを遠位の軽い末端へ伝えて末端速度を最大化する
  2. b遠位の末端から先に動かして力を温存する
  3. c全セグメントを同時に動かしてピークパワーを一致させる
  4. d近位関節の負荷を完全になくすため
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正解:a. 大きく重い近位セグメントから先に加速し、エネルギーを遠位の軽い末端へ伝えて末端速度を最大化する

投擲やスイングでは体幹・股関節など大きな近位セグメントを先に加速し、その運動量・エネルギーを順に遠位の軽いセグメント(前腕・手)へ伝達することで、末端速度を段階的に積み上げて最大化する。これが鞭のような加速(サミング)を生む。

21 機能解剖・バイオメカニクス

膝関節を完全伸展位から屈曲90度へと動かしたとき、大腿四頭筋の膝伸展に対するモーメントアームは関節角度により変化する。一般に最大伸展トルクが発揮されやすい関節角度域はどれか。

  1. a完全伸展(0度)付近
  2. bおおむね屈曲50〜70度付近の中間域
  3. c屈曲90度を超える深屈曲域
  4. d角度に関わらず一定で変化しない
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正解:b. おおむね屈曲50〜70度付近の中間域

関節トルクは筋力と膝伸展機構のモーメントアーム(膝蓋骨の作用を含む)の積で決まり、両者の関係から多くの研究で中間屈曲域(おおむね50〜70度付近)でピークトルクが現れる。完全伸展位や深屈曲位ではモーメントアームや筋長の条件が不利になりトルクが低下する。

22 機能解剖・バイオメカニクス

筋の長さ-張力関係(length-tension relationship)について、能動張力(アクチン-ミオシンによる収縮張力)が最大になるのはどの筋長付近か。

  1. a最も短縮した位置
  2. b最も伸張した位置
  3. cサルコメアが至適長(おおむね安静長付近)でフィラメント重なりが最適なとき
  4. d張力は筋長に依存しない
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正解:c. サルコメアが至適長(おおむね安静長付近)でフィラメント重なりが最適なとき

能動張力はアクチンとミオシンのクロスブリッジ形成可能な重なり量に依存し、サルコメアが至適長(安静長付近)で重なりが最適なとき最大となる。短すぎるとフィラメントが干渉し、長すぎると重なりが減るため、いずれも能動張力は低下する。

23 機能解剖・バイオメカニクス

ベンチプレスやカールでみられる「スティッキングポイント(挙上が最も難しい区間)」を力学的に説明する記述として最も適切なものはどれか。

  1. aその関節角度で外的トルクに対し筋が発揮できるトルク(筋力×モーメントアーム)が相対的に最小になるため
  2. b重力がその区間だけ強まるため
  3. cバーの慣性がその区間で消失するため
  4. d筋線維タイプがその区間で切り替わるため
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正解:a. その関節角度で外的トルクに対し筋が発揮できるトルク(筋力×モーメントアーム)が相対的に最小になるため

挙上中の各角度で必要な関節トルクと、筋の長さ-張力関係およびモーメントアームから決まる発揮可能トルクの比が変動する。両者の関係上、発揮可能トルクが外的要求に対して相対的に最小になる角度が最も挙上困難なスティッキングポイントとなる。

24 機能解剖・バイオメカニクス

ランニング着地時、地面反力(GRF)が膝関節中心の後方を通過する場合、その地面反力が膝に生じさせる外的モーメントの向きと、それに抗する筋群の組み合わせとして正しいものはどれか。

  1. a屈曲モーメントが生じ、大腿四頭筋(伸展筋)が遠心性に抗する
  2. b伸展モーメントが生じ、ハムストリングスが抗する
  3. c回旋モーメントのみが生じ、伸展筋は関与しない
  4. dモーメントは生じず、関節は無負荷になる
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正解:a. 屈曲モーメントが生じ、大腿四頭筋(伸展筋)が遠心性に抗する

地面反力ベクトルが膝関節中心の後方を通れば、その作用線と関節中心の距離(モーメントアーム)により膝を屈曲させる外的モーメントが生じる。これに抗して膝崩れを防ぐため大腿四頭筋が遠心性に働き、伸展トルクで荷重を受け止める。

25 機能解剖・バイオメカニクス

等速性(アイソキネティック)機器で角速度を高速に設定すると、低速設定に比べて測定される最大トルクは一般にどう変化するか(短縮性収縮の場合)。

  1. a増加する
  2. b減少する
  3. c変化しない
  4. dゼロになる
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正解:b. 減少する

等速性短縮性収縮でも筋の力-速度関係が支配し、設定角速度が高いほど発揮できる筋力(=トルク)は減少する。このため低速設定ほど大きなピークトルクが計測され、リハや筋力評価では速度設定が結果解釈に直結する。

26 機能解剖・バイオメカニクス

デッドリフトで、バーベルを身体(脛・大腿)にできるだけ近づけて引くよう指導する力学的な理由として最も適切なものはどれか。

  1. aバーと股関節・脊柱の水平距離(モーメントアーム)を短くし、腰部に生じる外的トルクを減らすため
  2. bバーの重量そのものを軽くするため
  3. c上肢の筋活動を増やしバーを速く挙げるため
  4. d支持基底面を狭めてバランスを崩しやすくするため
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正解:a. バーと股関節・脊柱の水平距離(モーメントアーム)を短くし、腰部に生じる外的トルクを減らすため

腰部や股関節に生じる外的トルクは、バーベル重量とその関節中心からの水平距離(モーメントアーム)の積で決まる。バーを身体に近づけるほどモーメントアームが短縮し同じ重量でも腰部トルクと脊柱への負荷が減るため、安全かつ効率的に挙上できる。

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