問1 機能解剖・バイオメカニクス
てこ(レバー)の分類で、支点が力点と荷重点の間にある「第1種のてこ」に該当する身体の例として最も適切なものはどれか。
- a上腕二頭筋による肘関節の屈曲
- b下腿三頭筋によるつま先立ち(踵上げ)
- c頭部を環椎後頭関節で支え、後頸部の筋で保持する動き
- d咬筋による下顎の挙上
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正解:c. 頭部を環椎後頭関節で支え、後頸部の筋で保持する動き
第1種のてこは支点が中央にあるもので、頭部を環椎後頭関節(支点)で支え、後方の頸部伸筋(力点)が前方の頭部重量(荷重点)とつり合う構造が代表例です。肘屈曲や踵上げはそれぞれ第3種・第2種のてこに分類されます。
問2 機能解剖・バイオメカニクス
力のモーメント(トルク)に関する説明として正しいものはどれか。
- aモーメントは力の大きさのみで決まり、支点からの距離は無関係である
- bモーメント=力×モーメントアーム(支点から作用線までの垂直距離)で決まる
- cモーメントアームが長いほど同じ力でも生じるモーメントは小さくなる
- d関節角度が変化してもモーメントアームは常に一定である
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正解:b. モーメント=力×モーメントアーム(支点から作用線までの垂直距離)で決まる
トルク(力のモーメント)は力の大きさとモーメントアーム(回転軸から力の作用線までの垂直距離)の積で決まります。同じ力でもモーメントアームが長いほどトルクは大きくなり、関節角度が変わるとモーメントアームも変化します。
問3 機能解剖・バイオメカニクス
運動連鎖(キネティックチェーン)における「閉鎖性運動連鎖(CKC)」の典型例として最も適切なものはどれか。
- aレッグエクステンション(座位で足を伸ばす)
- bダンベルアームカール
- cスクワット
- dレッグカール(うつ伏せで膝を曲げる)
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正解:c. スクワット
閉鎖性運動連鎖は遠位部(手や足)が床などに固定され動かない状態での運動で、スクワットは足部が床に固定される代表例です。レッグエクステンションやアームカール、レッグカールは遠位部が自由に動く開放性運動連鎖(OKC)に分類されます。
問4 機能解剖・バイオメカニクス
矢状面(サジタル面)上で起こる運動の組み合わせとして正しいものはどれか。
- a屈曲と伸展
- b外転と内転
- c内旋と外旋
- d水平内転と水平外転
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正解:a. 屈曲と伸展
矢状面は身体を左右に分ける面で、その面内では前額軸(左右軸)まわりの屈曲・伸展が起こります。外転・内転は前額面、内旋・外旋は水平面での運動です。
問5 機能解剖・バイオメカニクス
関節の「可動性(モビリティ)」と「安定性(スタビリティ)」の関係について、ジョイント・バイ・ジョイント理論にもとづく一般的な傾向として正しいものはどれか。
- a足関節は安定性、膝関節は可動性が主に求められる
- b股関節は可動性、腰椎(腰部)は安定性が主に求められる
- c胸椎は安定性、肩甲胸郭関節は可動性が主に求められる
- d全ての関節は可動性と安定性を同程度に必要とする
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正解:b. 股関節は可動性、腰椎(腰部)は安定性が主に求められる
ジョイント・バイ・ジョイント理論では、関節ごとに可動性優位か安定性優位かが交互に現れるとされます。股関節は可動性、腰椎(腰部)は安定性が主に求められ、隣接する関節の機能不全が他関節に代償を生むと考えます。
問6 機能解剖・バイオメカニクス
前額面(フロンタル面)上の運動軸として正しいものはどれか。
- a矢状軸(前後方向の軸)
- b前額軸(左右方向の軸)
- c垂直軸(縦方向の軸)
- d斜め方向の複合軸
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正解:a. 矢状軸(前後方向の軸)
運動は面に対して垂直な軸まわりで起こるため、前額面上の外転・内転などの運動は前後方向に走る矢状軸まわりで生じます。前額軸まわりは矢状面の運動、垂直軸まわりは水平面の運動です。
問7 機能解剖・バイオメカニクス
立位姿勢において重心線(重力線)と支持基底面の関係から、安定性を高める要因として誤っているものはどれか。
- a支持基底面を広くする
- b重心の位置を低くする
- c重心線を支持基底面の中央に近づける
- d重心の位置を高くする
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正解:d. 重心の位置を高くする
安定性は支持基底面が広く、重心が低く、重心線が支持基底面の中央寄りにあるほど高まります。重心を高くすると重心線が支持基底面の縁から外れやすくなり、かえって不安定になるため誤りです。
問8 機能解剖・バイオメカニクス
筋が短縮しながら張力を発揮して関節運動を起こす収縮様式の名称として正しいものはどれか。
- a遠心性(エキセントリック)収縮
- b求心性(コンセントリック)収縮
- c等尺性(アイソメトリック)収縮
- d等張性受動収縮
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正解:b. 求心性(コンセントリック)収縮
求心性収縮は筋が短縮しながら張力を発揮する様式で、ダンベルを持ち上げる局面などが該当します。遠心性収縮は筋が伸張しながら張力を発揮し(下ろす局面)、等尺性収縮は長さを変えずに張力を発揮します。
問9 機能解剖・バイオメカニクス
歩行などの動作で、着地時に下肢の筋群が伸張されながら張力を発揮して衝撃を吸収する役割を主に担う収縮様式はどれか。
- a求心性収縮
- b遠心性収縮
- c等尺性収縮
- d等速性収縮
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正解:b. 遠心性収縮
着地や下る動作で筋が伸張しながら張力を発揮して減速・衝撃吸収を行うのは遠心性収縮で、ブレーキの役割を果たします。同じ筋でも持ち上げる局面では求心性、姿勢保持では等尺性として働きます。
問10 機能解剖・バイオメカニクス
ニュートンの運動の第3法則(作用・反作用の法則)を身体運動に当てはめた説明として最も適切なものはどれか。
- a静止している身体は外力が働かない限り静止し続ける
- b加速度は加えた力に比例し質量に反比例する
- cジャンプ時に地面を押す力に対し、地面から同じ大きさで反対向きの床反力を受ける
- d運動量は力を加えた時間に比例して変化する
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正解:c. ジャンプ時に地面を押す力に対し、地面から同じ大きさで反対向きの床反力を受ける
作用・反作用の法則では、ある物体が他に力を加えると同じ大きさで反対向きの力を受けます。ジャンプで地面を押すと地面から床反力を受けて身体が上方へ加速します。選択肢1は慣性の法則(第1法則)、選択肢2は加速度の法則(第2法則)の説明です。
問11 機能解剖・バイオメカニクス
上腕二頭筋による肘関節屈曲は「第3種のてこ」に分類される。第3種のてこの特徴として正しいものはどれか。
- a支点が中央にあり、力点と荷重点が両端にある
- b荷重点が支点と力点の間にあり、小さい力で大きい荷重を動かせる
- c力点が支点と荷重点の間にあり、力では不利だが運動範囲・速度で有利になる
- d常に力でも速度でも有利になる
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正解:c. 力点が支点と荷重点の間にあり、力では不利だが運動範囲・速度で有利になる
第3種のてこは力点(筋付着部)が支点(関節)と荷重点の間にあり、力的には不利(大きな筋力が必要)ですが、わずかな筋の短縮で大きな運動範囲とスピードが得られます。身体の多くの骨格筋がこのタイプで、速い四肢運動に適しています。
問12 機能解剖・バイオメカニクス
体幹の安定性に関与する「コア」の説明として最も適切なものはどれか。
- aコアは表層の大きな運動筋(グローバル筋)のみを指し、深層筋は含まない
- b腹横筋・多裂筋・横隔膜・骨盤底筋群などが協調して腹腔内圧を高め脊柱を安定させる
- cコアの安定性は四肢の力発揮やパフォーマンスとは無関係である
- dコアトレーニングは可動性向上のみを目的とし安定性には寄与しない
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正解:b. 腹横筋・多裂筋・横隔膜・骨盤底筋群などが協調して腹腔内圧を高め脊柱を安定させる
コアの安定性は腹横筋・多裂筋・横隔膜・骨盤底筋群などの深層筋が協調し、腹腔内圧を高めて脊柱を安定させることで生まれます。安定した体幹は四肢への力伝達(運動連鎖)の土台となり、パフォーマンスや障害予防に寄与します。
問13 機能解剖・バイオメカニクス
スクワット動作の下降局面(エキセントリック)において、大殿筋はどのような収縮様式で働いているか。
- a短縮性収縮(コンセントリック)
- b伸張性収縮(エキセントリック)
- c等尺性収縮(アイソメトリック)
- d収縮していない
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正解:b. 伸張性収縮(エキセントリック)
スクワットの下降局面では股関節が屈曲し、伸展筋である大殿筋は張力を発揮しながら引き伸ばされるため伸張性(エキセントリック)収縮となる。エキセントリック収縮は重力に抗してブレーキをかける役割を持ち、上昇局面では逆にコンセントリック収縮となる。
問14 機能解剖・バイオメカニクス
上腕二頭筋カール動作で、肘を曲げて重りを持ち上げる(コンセントリック局面)とき、肘関節の伸展に働く上腕三頭筋が果たす主な役割はどれか。
- a主動筋(アゴニスト)
- b拮抗筋(アンタゴニスト)
- c協働筋(シナジスト)
- d固定筋(スタビライザー)
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正解:b. 拮抗筋(アンタゴニスト)
肘屈曲では上腕二頭筋が主動筋であり、反対の作用を持つ上腕三頭筋は拮抗筋である。拮抗筋は相反神経支配により制御され、動作の滑らかさと関節の安定に関与する。
問15 機能解剖・バイオメカニクス
立位での前額面(冠状面)上の運動として正しいものはどれか。
- a肩関節の屈曲・伸展
- b体幹の回旋
- c股関節の外転・内転
- d膝関節の屈曲・伸展
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正解:c. 股関節の外転・内転
前額面は身体を前後に分ける面で、左右方向(内外側)の運動が起こる。股関節の外転・内転がこれに該当し、屈曲・伸展は矢状面、回旋は水平面の運動である。
問16 機能解剖・バイオメカニクス
歩行の立脚期初期(踵接地後)に、足関節が底屈しすぎて足底が急に床に着くのを防ぐために伸張性収縮で働く筋はどれか。
- a下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)
- b前脛骨筋
- c長腓骨筋
- d後脛骨筋
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正解:b. 前脛骨筋
踵接地後、前脛骨筋は足関節背屈筋として伸張性収縮し、フットスラップ(足底が急に床を叩く現象)を防ぎ衝撃を吸収する。前脛骨筋の機能低下では下垂足やフットスラップが生じる。
問17 機能解剖・バイオメカニクス
オーバーヘッドスクワットの評価で、踵が浮く(または上体が過度に前傾する)代償動作が見られた。最も疑われる制限要因はどれか。
- a大殿筋の過活動
- b足関節背屈可動域の制限(下腿三頭筋の硬さ)
- c腹横筋の筋力低下
- d僧帽筋下部の過活動
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正解:b. 足関節背屈可動域の制限(下腿三頭筋の硬さ)
足関節の背屈可動域が不足すると、しゃがむ際に下腿を前方へ十分傾けられず、踵が浮くか上体が前傾して代償する。下腿三頭筋やアキレス腱の柔軟性低下が主な原因として疑われる。
問18 機能解剖・バイオメカニクス
肩甲骨を上方回旋させ、腕を頭上に挙上する動作で重要な「肩甲上腕リズム」に関与する筋の組み合わせとして適切なものはどれか。
- a前鋸筋と僧帽筋
- b広背筋と大円筋
- c菱形筋と肩甲挙筋
- d小胸筋と鎖骨下筋
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正解:a. 前鋸筋と僧帽筋
腕の挙上では肩甲骨が上方回旋し、これは前鋸筋と僧帽筋(上部・下部)の協調(フォースカップル)によって生じる。菱形筋や肩甲挙筋はむしろ下方回旋・内転に働く。
問19 機能解剖・バイオメカニクス
骨盤が前傾位(過度のアンテリアティルト)にある姿勢で、短縮・緊張しやすい筋として最も適切なものはどれか。
- a腹直筋
- bハムストリングス
- c腸腰筋(股関節屈筋群)
- d大殿筋
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正解:c. 腸腰筋(股関節屈筋群)
骨盤前傾では腸腰筋などの股関節屈筋群と脊柱起立筋が短縮・緊張し、腹筋群と大殿筋・ハムストリングスは伸張・弱化しやすい(下位交差症候群)。腰椎前弯の増強を伴うことが多い。
問20 機能解剖・バイオメカニクス
膝関節の主な運動が起こる面と軸の組み合わせとして正しいものはどれか。
- a矢状面・前額(冠状)軸
- b前額面・矢状軸
- c水平面・垂直軸
- d矢状面・垂直軸
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正解:a. 矢状面・前額(冠状)軸
膝の屈曲・伸展は矢状面上の運動で、左右方向に走る前額(冠状)軸を中心に回転する。運動面とそれに垂直な回転軸の関係を理解することは動作分析の基礎となる。
問21 機能解剖・バイオメカニクス
プッシュアップ(腕立て伏せ)で身体を押し上げる局面の主動筋として最も適切なものはどれか。
- a広背筋
- b大胸筋
- c菱形筋
- d三角筋後部
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正解:b. 大胸筋
プッシュアップの押し上げ局面は肩関節水平内転と肘伸展を伴い、大胸筋が主動筋、上腕三頭筋と三角筋前部が協働筋として働く。広背筋や三角筋後部はむしろ引く動作に関与する。
問22 機能解剖・バイオメカニクス
片脚立位やランジで膝が内側に入る(knee-in / 外反)代償が見られるとき、筋力低下が疑われる主な筋はどれか。
- a中殿筋・股関節外旋筋群
- b内転筋群
- c腓腹筋
- d腰方形筋
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正解:a. 中殿筋・股関節外旋筋群
中殿筋や股関節外旋筋群(大殿筋深部など)が弱いと大腿骨が内旋・内転し、膝が内側に崩れるダイナミックバルガス(knee-in)が生じる。これらの股関節安定筋の強化が改善に重要である。
問23 機能解剖・バイオメカニクス
運動の方向を表す用語で、「正中線に近づく動き」を指すものはどれか。
- a外転(アブダクション)
- b内転(アダクション)
- c外旋(エクスターナルローテーション)
- d背屈(ドルシフレクション)
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正解:b. 内転(アダクション)
内転(アダクション)は四肢を身体の正中線に近づける運動、外転は遠ざける運動を指す。用語の正確な理解は動作観察やプログラム作成での意思疎通に不可欠である。
問24 機能解剖・バイオメカニクス
複数の筋が協働して関節を異なる方向に引き合い、その合力で特定の運動や安定を生み出すしくみを表す用語はどれか。
- a相反神経支配
- bフォースカップル(force couple)
- cモーターユニット
- dオールオアノンの法則
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正解:b. フォースカップル(force couple)
フォースカップルとは、向きの異なる2つ以上の筋の力が協調して回旋運動や関節安定を生むしくみで、肩甲骨の上方回旋(僧帽筋と前鋸筋)が代表例である。相反神経支配は主動筋収縮時に拮抗筋が弛緩する神経機構を指す。