問1 運動生理学
最大努力での数秒〜約10秒の運動で、主に使われるエネルギー供給機構はどれですか?
- a有酸素系
- bATP-PCr系(ホスファゲン系)
- c解糖系(乳酸系)のみ
- d脂肪のβ酸化
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正解:b. ATP-PCr系(ホスファゲン系)
極短時間・最大強度の運動はATP-PCr系(ホスファゲン系)が主に供給します。約10秒前後で枯渇し、以降は解糖系、さらに有酸素系の比率が高まっていきます。
NSCA認定パーソナルトレーナーの「運動生理学」分野の練習問題です。「答えと解説を見る」を開くと正解と解説を確認できます。フィットネスジム店長の熊太郎が作成。4択の演習モードで解きたい方はNSCA-CPTのドリルへ。
最大努力での数秒〜約10秒の運動で、主に使われるエネルギー供給機構はどれですか?
正解:b. ATP-PCr系(ホスファゲン系)
極短時間・最大強度の運動はATP-PCr系(ホスファゲン系)が主に供給します。約10秒前後で枯渇し、以降は解糖系、さらに有酸素系の比率が高まっていきます。
速筋線維(TypeⅡ)の特徴として正しいものはどれですか?
正解:c. 収縮速度が速く大きな力を出すが疲労しやすい
速筋線維(TypeⅡ)は収縮速度が速く大きな張力を発揮しますが、疲労しやすい性質があります。遅筋線維(TypeⅠ)は持久的で疲労しにくく、有酸素代謝に依存します。
運動を終えた後も代謝が高まり、安静時より多くの酸素を消費し続ける現象を何といいますか?
正解:b. EPOC(運動後過剰酸素消費)
EPOC(運動後過剰酸素消費)は、運動後も代謝が亢進して酸素消費が増える現象で、高強度ほど大きくなります。DOMSは遅発性の筋痛で別の概念です。
最大強度の運動を開始した直後、最初の数秒間に主にエネルギーを供給する、酸素を必要としない機構はどれか。
正解:c. ATP-PCr系(非乳酸性機構)
運動開始直後の数秒〜10秒程度はATP-PCr系(非乳酸性機構)が主役となり、筋内のクレアチンリン酸を用いて酸素なしで素早くATPを再合成する。その後を解糖系が、さらに長時間運動では有酸素系が担う。
筋収縮の「滑り説(フィラメント滑走説)」において、収縮時に長さがほとんど変わらないのはどれか。
正解:d. アクチンとミオシンのフィラメント自体
滑り説では、アクチンとミオシンのフィラメント自体は短縮せず、互いに滑り込むことでサルコメアが短くなる。その結果I帯やH帯は狭くなるが、フィラメントの長さは一定である。
1つの運動ニューロンとそれが支配するすべての筋線維をまとめて何と呼ぶか。
正解:a. 運動単位
1つの運動ニューロンとそれが支配する筋線維群を運動単位という。細かい動きを担う筋では1運動単位あたりの筋線維数が少なく、大きな力を出す筋では多い。
神経筋接合部で運動神経の興奮を骨格筋に伝える神経伝達物質はどれか。
正解:c. アセチルコリン
神経筋接合部ではアセチルコリンが放出され、筋線維膜の受容体に結合して活動電位を生じさせる。これが収縮の引き金となる。
遅筋線維(TypeⅠ)の特徴として正しいものはどれか。
正解:c. ミオグロビンと毛細血管が豊富で持久性に優れる
遅筋線維(TypeⅠ)はミトコンドリア・毛細血管・ミオグロビンが豊富で酸化能力が高く、疲労しにくいため持久的運動に適する。一方で収縮速度や最大発揮張力は速筋に劣る。
動的な有酸素運動を漸増していくときの心拍出量の応答として正しいものはどれか。
正解:c. 心拍数と一回拍出量がともに増加して心拍出量が増える
運動強度の増加に伴い心拍数と一回拍出量がともに増えることで心拍出量が増加する。ただし一回拍出量は最大酸素摂取量の40〜60%程度で頭打ちになり、それ以上は主に心拍数の増加で心拍出量が高まる。
漸増負荷の有酸素運動における血圧応答として一般的に正しいものはどれか。
正解:a. 収縮期血圧は運動強度とともに上昇し、拡張期血圧はほぼ一定か軽度低下する
動的有酸素運動では心拍出量増加により収縮期血圧が上昇する一方、活動筋での血管拡張により末梢血管抵抗が下がるため拡張期血圧はほぼ一定か軽度に低下する。
最大酸素摂取量(VO2max)の説明として最も適切なものはどれか。
正解:b. 運動中に体内に取り込み利用できる単位時間あたりの最大酸素量
VO2maxは単位時間あたりに摂取・利用できる酸素量の最大値で、全身持久力の代表的指標である。心拍出量(中心因子)と末梢での酸素利用能(末梢因子)の積として規定される。
レジスタンストレーニングなどのストレス刺激で分泌が増え、タンパク質分解の促進や血糖維持に関与する異化(カタボリック)ホルモンはどれか。
正解:c. コルチゾール
コルチゾールは副腎皮質から分泌されるストレスホルモンで、糖新生やタンパク質・脂質の分解を促す異化作用をもつ。テストステロンや成長ホルモンが同化的に働くのとは対照的である。
膵臓から分泌され、血糖を細胞内に取り込ませて血糖値を低下させるホルモンはどれか。
正解:b. インスリン
インスリンは膵臓のランゲルハンス島β細胞から分泌され、骨格筋や脂肪組織への糖の取り込みを促進して血糖値を下げる。運動による筋収縮はインスリンとは別経路でも糖取り込みを高める。
運動強度を上げていく過程で、血中乳酸が急激に増加し始める強度を表す用語はどれか。
正解:a. 乳酸性作業閾値(LT)
乳酸性作業閾値(LT)は血中乳酸濃度が安静値から急激に上昇し始める運動強度で、持久的パフォーマンスの重要な指標となる。トレーニングによりLTはより高い強度へ移行する。
持久性トレーニングによる長期的な適応として一般的に正しいものはどれか。
正解:b. 安静時心拍数が低下し、ミトコンドリアと毛細血管が増加する
持久性トレーニングでは心臓の効率化により安静時心拍数が低下し、一回拍出量が増大する。骨格筋ではミトコンドリアと毛細血管が増え、有酸素的なエネルギー産生能力が高まる。一方で最大心拍数はほとんど変化しない。
高強度の運動開始直後、数秒間のエネルギー供給を担う「ATP-PCr系(ホスファゲン系)」において、クレアチンリン酸(PCr)が果たす主な役割はどれか。
正解:b. 分解時に放出する高エネルギーリン酸をADPに渡し、素早くATPを再合成する
クレアチンリン酸はクレアチンキナーゼの作用で高エネルギーリン酸基をADPに供与し、酸素を必要とせず瞬時にATPを再合成する。このため数秒間の最大努力(短距離ダッシュや挙上)で主要なエネルギー源となる。
激しい無酸素的運動で骨格筋に蓄積した乳酸は、血流で肝臓へ運ばれグルコースに作り変えられ再び筋へ戻る。この一連の経路を何と呼ぶか。
正解:b. コリ回路
コリ回路では筋で生じた乳酸が肝臓へ運ばれ糖新生によりグルコースへ再変換され、血中を経て再び筋のエネルギー源となる。乳酸を「疲労物質」と捉えるのではなく、糖の再利用基質とみなす考え方の基礎となる。
運動開始直後、酸素摂取が需要に追いつかず無酸素的にエネルギーを賄う状態を指す用語はどれか。
正解:b. 酸素借(酸素不足)
運動開始時は酸素供給が需要に達するまで時間がかかり、その不足分を無酸素的に補う状態を酸素借という。これに対し運動後に安静時より酸素摂取が高い状態が続く現象は酸素負債(EPOC)と呼ばれ、両者は別概念である。
漸増負荷運動で運動強度が高まるにつれ運動単位が動員される順序を説明する「サイズの原理」によると、最初に動員されるのはどれか。
正解:b. 小さい運動ニューロンが支配する遅筋(タイプI)線維
サイズの原理(ヘネマンのサイズ原理)では、興奮閾値の低い小さな運動ニューロンが支配する遅筋線維から先に動員され、強度が増すと大きな運動ニューロン支配の速筋線維が加わる。これにより低強度では持久的な線維が効率よく使われる。
毎分換気量(分時換気量)を正しく表す関係式はどれか。
正解:a. 1回換気量 × 呼吸数
毎分換気量は1回換気量と呼吸数の積で求められる。運動強度が上がると主に1回換気量の増加で、さらに高強度では呼吸数の増加も加わって換気量が増し、酸素需要と二酸化炭素排出に対応する。
血液中で酸素の大部分を運搬する役割を担うのはどれか。
正解:b. 赤血球内のヘモグロビン
動脈血中の酸素の約98%は赤血球のヘモグロビンと結合して運ばれ、血漿に溶解する分はごくわずかである。組織で酸素分圧が低下するとヘモグロビンは酸素を解離し、活動筋へ供給する。
レジスタンストレーニング後に分泌が高まり、筋タンパク質合成を促進する同化作用を持つホルモンの組み合わせとして適切なのはどれか。
正解:b. テストステロンと成長ホルモン
テストステロンと成長ホルモンはともに筋の同化(タンパク質合成促進)に関与し、高強度・大筋群を用いるレジスタンス運動で分泌が高まりやすい。成長ホルモンはIGF-1を介した作用も持つ。
運動時の体温上昇に対する主要な熱放散機構として、汗が皮膚から蒸発する際に体熱を奪う仕組みを何というか。
正解:b. 蒸発による放熱
発汗した汗が皮膚で蒸発する際に気化熱として体熱を奪うことで体温上昇を抑える。高温多湿環境では汗が蒸発しにくく蒸発による放熱効率が下がるため、熱中症のリスクが高まる。
長期間の持久性トレーニングによる心臓への代表的な適応として、安静時に最も典型的にみられる変化はどれか。
正解:a. 安静時心拍数の低下(徐脈傾向)
持久性トレーニングでは1回拍出量が増加し、同じ心拍出量をより少ない拍動で賄えるため安静時心拍数が低下する(スポーツ心臓の徐脈)。これは心機能の効率向上を反映した適応である。
加齢に伴う最大心拍数の変化を推定する一般的な目安として、よく用いられる簡易式はどれか。
正解:a. 最大心拍数 = 220 - 年齢
最大心拍数はおおむね「220 - 年齢」で簡易的に推定され、加齢とともに低下していく。あくまで目安であり個人差は大きいが、運動強度の目標心拍を設定する際の基準として広く使われる。
クエン酸回路(TCA回路・クレブス回路)と電子伝達系が行われ、有酸素的なATP産生の中心となる細胞内の構造はどれか。
正解:b. ミトコンドリア
有酸素系のクエン酸回路と電子伝達系はミトコンドリア内で進行し、酸素を利用して多量のATPを産生する。持久性トレーニングはミトコンドリアの数や容積を増やし、有酸素的なエネルギー産生能力を高める。
主に脂肪をエネルギー源として利用し、長時間の持続的活動に適しているのはどの筋線維か。
正解:a. タイプI(遅筋・赤筋)線維
タイプI(遅筋)線維はミトコンドリアと毛細血管が豊富で有酸素的に脂肪を利用しやすく、疲労しにくいため持久的活動に適する。一方タイプII(速筋)線維は素早く大きな力を出すが疲労しやすい。
安静時から最大運動へ移行する際、活動筋への血流配分を増やすために起こる調節を何と呼ぶか。
正解:a. 血流再分配(リディストリビューション)
運動時は内臓など非活動部位の血管が収縮し、活動筋の血管が拡張することで血流が活動筋へ優先的に配分される(血流再分配)。これにより酸素と基質の供給が高まり、老廃物の除去も促進される。
単位時間あたりに体内で消費される酸素量を測定し、有酸素的持久力の指標として用いられる「最大酸素摂取量」を表す略号はどれか。
正解:a. VO2max
最大酸素摂取量(VO2max)は運動強度を高めても酸素摂取量がそれ以上増えなくなる値で、全身持久力(有酸素能力)の代表的な指標である。心拍出量と動静脈酸素較差の積で規定される。
骨格筋の収縮で、アクチンとミオシンが滑り合って筋節が短縮するという仕組みを説明する理論はどれか。
正解:b. 滑り説(フィラメント滑走説)
滑り説では、ミオシン頭部がアクチンと結合し首振り運動でアクチンを手繰り寄せることで筋節(サルコメア)が短縮し筋全体が収縮する。この過程にはATPとカルシウムイオンが必要である。
高強度運動で血中乳酸濃度が急激に増加し始める運動強度の境目を指す用語として適切なのはどれか。
正解:a. 乳酸性作業閾値(LT)
乳酸性作業閾値(LT)は運動強度の上昇に伴い血中乳酸が急に増え始める点で、有酸素能力と持久的パフォーマンスの指標となる。持久性トレーニングによりこの閾値はより高い強度側へ移動する。